鳴り響く第九


第九終演。終わった瞬間泣きそうになったよ。ご来場頂いた多くのお客様、スタンディングオベーション、割れんばかりの拍手。ホール全体が興奮に包まれた時間でした。

…しかし、僕にとっては本当に難しい作品だった。と言いつつも探求をやめられない魅力溢れる作品。音楽をすることに全てを捧げ、その直後耳の中に残るのは自分の心臓の鼓動だけ…と言うのは決して大袈裟な言葉ではなく。圧倒的な音符の躍動、色彩のウネリ、感情の幅、静寂、沈黙…全楽章から見る景色に言葉を失う感動と同時に、ふと、リストは二台ピアノでの第九をどんな気持ちで編曲していたのだろう?そんなことも思ったり。胸が熱く目頭も熱く。大量の汗で髪もスーツもぐしゃぐしゃ💦

お客様始め、小出郷文化会館スタッフの方々、全ての関係者に心から感謝申し上げます。サイン会ではCDを嬉しそうに手に取り、投げかけてくださった言葉、そしてあの笑顔も忘れません。(CD完売御礼)
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旋律が紡ぐ思い出


昨日は映画音楽のコンサート。場所は麻布にある富麗華。


今回共演させていただいたのはチェリストの荒庸子さん。素晴らしい演奏と、とても魅力的なお人柄に僕自身魅了され、多くのファンの方々も全国から集まり会場は超満員。熱気あふれる時間となりました。



映画音楽のコンサートは僕にとって初めての経験。全てが勉強になったし、今後このジャンルは広げていきたいな。。。


プログラムは古い映画から最近のものまで。旋律を聴くと映画のシーンだけじゃなく、当時のことを鮮明に思い出します。音楽を聴いているんだけど、そこに自分の過去と今を対峙させているような感覚があったり。昔の僕と今の僕のダイアログが確実に存在している。それを客観的に見ている自分もいるわけで…


リハーサルを重ね、本番を終えるまでの全ての時間が幸せでした!


終演後、お客様と富麗華の素晴らしいお食事をご一緒させていただいたのですが、これがまた素敵な時間。その場にいる全ての方々が自然で温かい笑顔を浮かべ食事を楽しんでいる。これ以上何を望もうか?


お声がけくださったチェリストの荒さんはじめ、全ての関係者に心から感謝申し上げます。


「荒庸子さんオフィシャルサイト」
http://www.yokoara.com/


今回のプログラムは12月に青梅の方で再演があります。時期が来たら詳細をお知らせしますね。


さて、明日から新潟は小出へ。開花宣言直後に雪の寒さに震えるとは…。




曲目は「ベートーヴェン交響曲第9番リストによる2台ピアノ編曲版」。


もちろん全楽章です。この巨大な作品を前に自分の小ささを改めて思わされる日々ですが、とても楽しみでもあります。


一体どうなるのか?それを皆さんと共有出来たら嬉しいです。当日券はありますので、是非お越しください!

たとえ言葉をうまく話せなくとも


今日は門下生の一人、ピアニストの吉岡駿君のリサイタルでした。彼は知的障害を伴う自閉症。様々なコンクールで入賞を果たし、今は日本の各地でコンサートを行っています。


僕のところに来てくれている生徒たちの間に存在する温かな「横のつながり」。それぞれを応援し合い、時に相談し合う。もちろん吉岡君も周りの生徒たちから応援され、彼自身ご両親と一緒に勉強会や発表会にも積極的に参加しています。


僕は賛助出演として彼とラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ(連弾版)」を演奏。


吉岡君がうちの門をたたいて早5年となるけれど、確かに言葉のやり取りは(僕が一方的に話すだけで)十分とは言えないかもしれない。しかし、彼の音、音楽を通して今日まで心の深いところで多くのコミュニケーションがありました。


ラヴェルの作品の中に「僕らの繊細で感情溢れる対話」があったと強烈に感じたのです。それはある意味「言葉を超えていた」とも言えるし「音は声」とも言えるのかもしれない。


彼の叫び、不安、迷い、興奮、集中、やさしさ…


これらは全て音となって聴こえてきます。
それを実感した素晴らしいコンサートでした。


彼を支えるご家族、そして吉岡駿君の音楽に対する情熱。


彼のような人と音楽を共に創っていけることに、微力ながら僕自身大きな喜びと感謝を抱きます。


是非応援してください。

「吉岡駿オフィシャルサイト」
https://hy-piano.jimdo.com/

第7回おとの鳥


昨年5年ぶりに再開した地元での自主企画コンサート「おとの鳥」。

今年は5月12日(日)14時開演。

日本に帰国して仕事も何もなかった時に始めた小さな小さなコンサート。

チラシ作りから受付、椅子並べまで全て自分たちで行う完全な手作り。

気付けばこの歳になっていますが、いつも僕らの初心を見つめさせてくれる温かく大切な企画です。

場所は大正時代に建てられたノスタルジー溢れる空間。目の前には川が流れ緑に囲まれています。昨年再開時に「おとの鳥」に改名。名付け親は子供たち。

ぜひお越しください!





ベートーヴェンの食と音楽


コンサート終了。昨年からずっと楽しみにしていたコンサート。ドイツ料理とベートーヴェンの音楽。ドイツ料理の第一人者である野田浩資シェフ とのコラボレーション。当時の食事と音楽と共にベートーヴェンの軌跡を追う貴重なひと時。野田シェフのお話(食から当時を見る)はとても興味深かったです。


選帝侯ソナタ2番やエレオノーレ、ソナタ20番など普段あまり弾かない作品群を他のソナタのプログラムに組み込ませてみると、その作風の興味深い変化を改めて感じる。特にボン時代の作品は個人的にもっと踏み込んで勉強したい。そんな気持ちにも。


ベートーヴェンが口にしたかもしれない食事を楽しみ、ベートーヴェンの音楽を楽しむ。最高の時間でした。全ての関係者に心から感謝申し上げます。満員御礼。


さて、今夜は都内に泊まり明日は早朝から愛媛へ。頭の中でなぜだかベートーヴェン交響曲第7番がずっと鳴っている。参ったね。



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明けましておめでとうございます!


家族がまだ寝ている早朝、朝日が力強くリビングに差し込んでいます。


ストーブに火を焚いて、コーヒーを淹れる。


香りが家の中に優しく広がります。


新年の訪れ、それは気持ちを新たにさせる神聖な時。


家族の健康を祈り、音楽芸術の深淵へと進む決意を。


ここ数日はピアノをあえて触らず楽譜も見ません。触れないことで感じるピアノ(音楽)と僕の関係。



元旦夕暮れ時の散歩。


散歩はいいな。


しっかりと地面に足がついて、自分の速さで歩いて前に進んでいく。


どんな時も自分の足元を見て初心を忘れず、一つ一つ大切に、自分と向き合いながら進んでいきたい、そんな2019年になることを思いながら。

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2018年もありがとうございました!


表現すること、それは終わりのない道のり。


今年も様々な現場で多くの経験をさせていただきました。


出会い、別れ、歓喜、苦しみ、迷い、不安…いろんな思いや感情が渦巻いた2018年。


大小様々なコンサートやイベントに呼んでいただいた他、ベートーヴェン3大ソナタを収録した「tragico(悲劇)」のリリース、ソプラノの角田さんとラッヘンマンの「GOT LOST」、10年前から続けている地元での手作り自主企画コンサート「おとの鳥」の開催、初めての発表会「matinee」、浜離宮でのソロリサイタル「Beethoven Program」、そして今も公演が続いている稲垣吾郎さん主演ベートーヴェンの舞台「No.9-不滅の旋律-」など…大きな足跡を残しました。


教育の面では大学やプライベートの他、公開レッスンや特別レッスン、レクチャーなどたくさんの方々と「音楽創り」をさせていただきました。表現が生まれる神聖な時間です。ここ数年変化してきたのは、楽器店や企業などだけでなく、個人の先生方から呼んでいただくようになったこと。直接ご連絡をいただき、音楽的な時間を共有する、とても嬉しい「繋がり」です。教育に関わる難しさや怖さは常々ありますが、それでも生徒たちのあきらめない姿勢にはいつも感動させられます。時間が必要な「成長」という旅。自分を強く「信じる」ことの大切さ。


様々な経験から僕も多くを学んでいます。


感謝を胸に。


SNSはじめDMやメール、お手紙、そして直接お言葉をいただいたりと、皆様からの温かな応援が大きな支えとなっています。


そして…家族に。




2019年は大学から始まり、直ぐにNo.9の公演で九州は久留米へ。その後も各地で皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。今年もありがとうございました!


末永匡