matinée at Topos

西荻窪にあるカフェTOPOS。1960年代のBechsteinピアノがあるところだ。以前のブログ記事「カフェTOPOS」にある通り、とにかく雰囲気が良い。温かくやさしい。そしてピアノの音色もその時代のBechsteinらしくとてもやさしく豊かな音色だ。コンサートプロデューサーのAさんからお声掛け頂き、妻と出演することとなった。Toposのマスター、お母さん、Aさん、若林さん、そして来て下さった全ての方々に深く感謝。また、子育てで全く自分の時間をとれない妻とこうやって一緒に演奏できる幸せを再度噛みしめている。

若林正人さんと

たくさんのお客さんに恵まれ、決して広くはない、けれど温もりを感じる店内はいつもより少しだけ緊張感が漂っていた。ニュースステーションでお馴染の若林正人さんも来られ、その素晴らしいトークに緊張感は一気にほどけた。やはり話のプロは凄い。一番印象に残ったのはトークの中でちりばめられる多彩なボキャブラリーだ。これで一気に話す内容が豊かに実る。日本語は素敵だと再認識させてくれる。普段レクチャーなどで人前で話す機会がある僕は、こっそりと聞きならがらその話術を勉強させてもらった。

シューベルト、メンデルスゾーン、マンガーニ、エルガー、リスト、ショパンを演奏。合間に若林さんのトークも入りとても楽しいマチネとなった。

アンコールにはシューマンのトロイメライを演奏。これまでにToposに来る度トロイメライを弾いている。むしろトロイメライを弾かなければToposに来た気がしない。

溢れる涙をそのままにトロイメライをじっと聴いて下さっていた方がいた。「どうして泣いているのだろう?」これが僕の率直な気持ちだった。「演奏が素晴らしいから泣いていた」などの理由ではない雰囲気をその方の表情から感じた。その表情はまるで、ご自身の人生のとある一場面と照らし合わせながら聴いているようでもあった。その目はもっと深く遠くを感じさせ、自分にしかわからない過去、もしくは現在のリアルな"何か"を見ていたのかも知れない。

西荻窪Topos
それぞれが、それぞれの思いに身を寄せ音を受け入れいたそんな午後。次回は子供たちを連れて来ようかと思う。その時もまたトロイメライを弾くのだろうか・・・。僕はここでそれを弾く事によって、まるで自分の気持ちを綴った一枚の小さなメモ用紙を置いて行く、そんな気持ちになる。好きです、Topos。


 

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