巡礼の年

リストのオーベルマンの谷を練習している。何度コンサートで弾いても「行き着かない」苦しさが残る。例え作品中に希望の光が一瞬でも見えたとしても。これまでにいろんな作品を弾いてきたが、ここまでアウトプットが激しいのも珍しい。救いのない遣る瀬無さ、そして暗闇に包まれ泥に沈んでいく。練習していても逃げ出したくなる。実際に練習をやめる、という意味ではなく、オーベルマンの谷という音楽作品の中で逃れたい、救われたいと、闇の中を彷徨い続ける。練習後はしばらく動くことができず放心状態で虚空を見つめている。

この「オーベルマンの谷」を弾くコンサートの数日前から"それに入っていく"故に心に鎖と重りをつける日々が始まる。

だからこそ一瞬だけ現れる「許しの音」に癒され涙する。

リストの代表作の一つである。

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