コンサートを終え、思ったこと


昨日は長野県佐久市にある「穂の香ホール」でレクチャーコンサート。ほぼ満席のお客様にお越し頂き会場は熱気に溢れていた。とても嬉しかったのは子供たちが多かったこと。これからの日本の未来を担っていく彼らにこのような文化的事業を体験させるのはとても有意義かと。子供は無限の可能性を秘めている。誰もその種類や限界を知ることはできない。音楽など、感性を刺激する「体験」は無意識レベルに細胞に浸透し2度と消える事のないものとして記憶される。その体感されたある種の振動は、これから大きく育って行く子供たちに「創造性」という波を起こさせる。人生におけるクリエイティヴな感覚は、彼らがどんな道に進もうと、人生という深い森を切り開くための強力な武器となる。今回のような企画がもっと充実することを切に願う。芸術関係への理解が乏しい日本という国だからこそ。

さらに思うのは、企画する側のモチベーションはそのまま会場やお客様、チラシなどのアイテム全てに影響する。やはり企画者がやる気に満ちて生き生きとしていると、全てのシーンでその「気持ち良い」やる気が伝わる。だから舞台に立っていても楽しい。今回のコンサートは隅々まで生き生きとしていて瑞々しさに満ちてた。しかし現実問題としてその全く逆も起こりうる。難しいものだ。

さて、コンサートはテーマが「ピアノの歴史と魅力」ということもあり、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、リストを演奏。BechsteinD282(モダンピアノ)とDulcken(フォルテピアノ:19世紀初頭のレプリカ)を使用。1つのステージでモダンピアノとフォルテピアノを同時に使用するのはとても難しい。演奏技術が全く異なる。しかし、音色や音楽を構築する際、それらの感覚はとても重要なヒントを与えてくれる。調律師の加藤さん(ユーロピアノ)とタッグを組み1つのステージを担当させて頂いたが、毎回思う。「ピアノってなんて楽しいんだろうか」と。とても身近な楽器だけどヴェールに包まれた数々の魅力に溢れている。だから加藤さんがトークをしている時も、途中我慢できずさえぎって質問などしてしまう。(この質問と答えが、それもまたお客様のためになればと願いつつ)

使用したBechsteinD282は明後日、池袋の芸劇でベートーヴェンの皇帝を演奏するのと同じもの。日本にまだ1台しかないBechsteinの最新モデル。コンチェルトでの披露は、日本では初めてとなる。とても光栄なことだ。

コンサートを終え、第2部はオーディションから選ばれた子たちが素晴らしい演奏を披露してくれた。心躍るような気持ちで聴かせてもらった。終演後、たくさんの子供たちがBechsteinとDulckenに集まり交互に試弾していた。子供たちがどれだけ心から楽しんでいたかは、演奏している時の表情や驚きの声を聴くとすぐにわかる。素晴らしい経験となったに違いない。

ここ、穂の香ホールの雰囲気はとても温かい。広さも丁度良い。ここで子供たちはじめ音楽を愛する未来のピアニストたちを集めて公開レッスンやワークショップが出来ればいいなと夢を膨らませながら会場を後にした。

人望が厚く優しい笑顔が印象的、そして今回の企画をとりまとめていた担当の先生はじめ全ての関係者に心からの感謝を、そして再会を願いつつ・・・

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